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「革コン」呼びかけ文2

1.はじめに
「全国の叛乱分子(候補)、集まれ(`・ω・´)=〇」というスローガンを掲げた、この革コン。正直、私は叛乱分子であるという自覚はない。ゲバ文字なんかを見ると、うぉー!となる共産趣味者ではあるが、基本的にノンポリである。場の雰囲気に応じて、君が代も歌えばインターナショナルも歌う。叛乱よりも、折り合いや落とし所を考えることのほうが好きだし、向いている。呼びかけ人としてこの場にいていいのだろうか 笑

2.寿町 なんとなくから 暮らしまで
大学生のころ、横浜・寿町に卒論を書きに行った。
経済格差が!とか、抑圧された人民の!とか、救済してあげなきゃ!とかいう崇高な思いは露ほども持たず、なんかあぁいう「灰色のおっさん」たちばっかりの空間が好きで、足を運んでいた。
初めて寿に行った時、街のおっちゃんから第一声「お前学生か。学生なんか勉強の用が済んだら来なくなっちまうんだろ、1回や2回街に来たくらいで分かったつもりになるんじゃない!」と怒鳴られ、なんか悔しくなったのでとにかく通ってみることにした。
野宿者訪問の夜回り、夏祭りの運営、越冬闘争(年末年始の行政窓口閉庁期間中の相談窓口自主運営とか炊き出しとか。オイルショックのころから毎年やってる派遣村のようなもの)、相談会、生活保護申請同行などなど、いろいろやってみた。
気づけば街の活動に関わって5年目。就職してすぐに市内にある実家を出て、寿と川を挟んで対岸の地域、石川町にアパートを構え、暮らしている。卒論を書きに来たときはこんな生活をしているとは思ってもみなかった。

なんとなく好きになった寿町。
街や路上でおっちゃんたちと関わるうちに、一人一人の生き様が見えてきた。
港の荷おろしの仕事をしてきたおっちゃん、建築にずっと関わってきた腕のある職人だったが、工法や必要とされる技術が変わって、年もとって結局仕事にありつけなくなったおっちゃん、児童養護施設出身のおっちゃん、実家は金持ちだったけど、家からつまはじきにされて独り者として寿のドヤ街にいるおっちゃん、かわいい…すなわち年齢不相応な振る舞いや言動、働く上では厳しかっただろうというおっちゃん、アルコール依存症のおっちゃん、妻も子どももいたけど、いろいろあって今の暮らしになって、もう顔なんてあわせられないよというおっちゃん、会話が成り立たない、認知症のおじいちゃん。
生きてきた道筋だけでなくて、考え方も色々。「俺は職人ずっとやってきて腕には自信がある、まだやっていける。でも働きてぇんだけど雇ってくんねぇんだよ…」という、明らかに足を引きずっているおっちゃん。昼間から酒を飲むおっちゃんの「本当は俺だってまっとうになりたい、でもみんな受け入れてくれねぇじゃんかよ…」という、シラフのときに時折のぞく本音。「福祉なんか受けたくねぇ!人様の、特にお上の世話になんかなりたくねぇ!俺は缶拾って自分で稼いでんだ!」という野宿のおっちゃん。直接税は納めていないが、税金の恩恵も受けていない。
世間一般ではイメージだけで遠ざけられている、野宿のおっちゃん、ドヤ街のおっちゃんたちの生き様は、リアルで、かっこよかった。かっこよいおっちゃんも、素敵だった。いい人ばかりではないし、どうしようもない人も中にはいるけれど。とにかく、人と関わるのが面白かった。

3.ドモホルンリンクル的・潜在的就職活動
そんな感じで卒論調査を兼ねたボランティアに精を出していたら、案の定就活がうまいこといかず、大学を出て無職に。より正しく表現するならば、就活は人並みにしたものの、就活をやることに意味を見出せず、志望動機がきちんと答えられるような仕事も見つけられず、逃げて逃げて、卒論調査、ボランティアという大義名分を掲げて、自分の居心地のいい場所に居座ろうとしただけだった。ナメていた。
実家にいたし、あんまり自分が生きていくこと、自分の生き方を考えることに対して、真剣になれていなかったんだと思う。
大学卒業後、飲食業、塾講師、日雇い派遣などのアルバイトはやっていた。詳しくは割愛するが、自分の本当にやりたいこととも、向いていることとも少し違ったようであった。自分が何がやりたいのか分からず、無気力になりつつ、就職できるのか、まともに生きれるのかどうか、不安だった。不安な気持ちを紛らわすために、自分のこともちゃんとできていないのに人助けのボランティアなんて、と複雑な気持ちになりつつ、空いた時間で寿に通っていた。
現在、寿でのボランティアを続けてきた縁で、なんやかんやで就職して働いている。
制度ありきの支援ではなく、相談者個々に応じた支援をやっていく内閣府のモデル事業「パーソナル・サポート・サービス(PS)」でやっている相談室にて、相談員の仕事をしている。就職支援、労働問題、知的・発達・精神障害等の課題、家族や生育歴の中での関係性の課題、生活困窮などなど、うちはこの問題しかやりません、とたらい回しにするのではなく、相談者本人に寄り添って、時には訪問、行政窓口や他機関への同行、病院同行、引越しの手伝い、荒れに荒れた部屋の掃除などをして関係性を築きつつ、抱えている色々な課題を一つ一つ解きほぐしていく道筋を相談者本人と確認しあいながら動いてきた。
そんな相談室が3月末で閉鎖になるが、それについてはここでは割愛する。

4.「抱えない」ことの意義
寿でも、相談室でも、生活保護の制度と関わることは多い。
寿でのボランティアを始めたころは福祉事務所なんて、みんな水際作戦で相談者を追い返すような敵だと思っていたが、相談者と一緒に相談窓口に同行したりしているうちに、そういうことだけではないことが分かってきた。福祉事務所の側と関係が築けてきて、お互いに顔の見える関係になってきたということも大きいと思う。
「就労につなげたい生保受給者がいるのだけれど、頑張れと言うだけでは人は動くわけがないのも分かっている。ケースワーカーと本人との関係だけでは、どうしても無理が出る。連携して一緒に進めて行ってほしい」というケースワーカーからの要請もよく来る。
基本的に、一人の人間を支えるには、一人が一生懸命抱え込むよりも、複数の人が関わっていったほうが良い。孤立した状態にある相談者の場合、一人の相談者と一人の援助者の関係では、援助者の判断や言うことが絶対と捉えてしまう場合も多い。着目点が異なる複数の目が入れば、立体的に本人を捉えられるし、一人の支援者と関係が崩れても、どこかしらの支援とつながっている限り、相談できる相手がいる状態になる。また、対人援助の仕事についている者も、人間である。一人の他人の人生を自分だけで抱えなければならないと考えると、責任は重い。対人援助職はバーンアウト(燃え尽き)により、病んでいく者も多い職業である。支援の進捗状況を共有しながら進めていったほうが、基本的には相談者も、援助者も守られていく場合が多い。
初回相談はケースワーカーにも同席してもらい、こちらとの関係を築いた上で、雑談も交えつつ、本人の人となりや生育歴を知るため面談を重ねていく。
そして相談者の状態に合わせて、就職活動の方法がうまく行っていないものの、やりたいことは決まっており、あと一押しで就労できそうな人であれば「求人検索機はすこぶる使いにくいものの、相談員の検索機ならばキーワード検索ができるし、自分にあった求人票を見つけておいてくれたり、仕事についての相談にのったり、応募書類の添削をしてくれますよ」と信頼できるハローワークの相談員のところに一緒に行って顔つなぎをしたり、少し動けそうではあるが、何がやりたいか、何に向いているか分からないという人には、相談室内のキャリアコンサルタントにGATB(一般職業適性検査)やVPI(職業興味検査)などを実施、結果分析とフィードバックをしてもらった上で、キャリアカウンセリングや面接練習、履歴書添削などをお願いしたり、現時点では一般就労は厳しそうだが、苦手なこと、得意なこと整理したうえで働いていけばまったく働けないわけではないという人、働いた経験がない・少ない人、働く自身を失った人には、地域で自分たちの手で仕事を起こしている事業所を持っている団体と連携し、「中間的就労」の実習につないでいく。実習10回ごとに、本人と事業所や連携団体、相談室の相談員が集い、実習について振り返りを行う。
民間と連携していくと「ハローワークに行け、頑張れ」というだけではなく、ハローワークの誰にどう相談すればいいか、頑張るためにはどんな準備が必要か、どんな頑張り方をすればいいか、頑張る、頑張らないの根性論ではなくて、何をやっていけばいいか考えていける。こうしたことに気づき、タッグを組んで動くケースワーカーも増えてきている。

5.「特性」と折り合いと葛藤
さて、水際作戦の話。
生活が困窮してきて混乱の真っ只中にいる相談者と、ケースを100件以上抱え、日々の業務に忙殺されるケースワーカー。すんなり噛み合うはずはない。
「水際作戦を許すな!」と叫ぶことは簡単だし、「左」派や「人権」派の人は水際作戦に対して問題意識を持っている人も多いと思うが、声を上げる人の中で、実際に福祉事務所での生活保護申請の現場に立ち会った人はそれだけいるだろうか。
なかには相談者を追い返す、底意地の悪いケースワーカーもたくさんいる。何の疑問も持たず、上司の命令に従って真面目に相談者に叱咤激励をして、結果的には追い返してしまう、真面目なケースワーカーもいる。しかし、フツーのケースワーカーも、良心的なケースワーカーももちろんいる。
福祉の専門知識がない一般職採用の職員を福祉事務所にケースワーカーとして配置している自治体が多いため、相談者の特性(障害や障害とまではいかなくとも、独特なコミュニケーションパターン、思考パターンを持っている場合も)や背景に思いを巡らせることが苦手、相談者の自立や生活向上のために使える他機関や制度など、担当する枠外の地域資源を知らない、学ぶ機会もないケースワーカーも存在する。
ちゃらんぽらんに生きてきた相談者もいる。平気でウソをつく相談者もいる。しかし、本気で自分の履歴を覚えていられない特性を持っている場合もあるし、ウソをついて切り抜けてきた、生き延びてきた人もいる。
攻撃的な相談者もいる。援助者としては励ましたつもりでも、丁寧に説明したつもりでも、説明全体ではなく、言葉の一部分のみが本人の認識として残り、机を蹴って帰ってしまう人もいる。言葉による認識が弱く、図解や文章にしないと理解が入りにくい人もいる。
真面目に生きてきた相談者もいる。真面目すぎて、自身の決めた「正しい」物事の基準から外れることを恐れ、自分の言った事が信じてもらえないかもと恐れ、困ってもまともに人に相談できず、黙って仕事場や前に生活保護を受けていた場所を飛び出し続け、記録を見る限りでは、「身勝手な」相談者として扱われる人もいる。

「生活保護申請権の侵害を許すな!」とスローガンだけ叫ぶことは簡単だが、たとえばアルコールやギャンブルのアディクション(依存症)を抱えている相談者、金を渡せばそのまま使ってしまい、大崩れすることが目に見えている相談者本人に金銭管理を委ねようと思えるか。施設入所を勧め、治療につなげていくことを勧めはしないか。しかし、対人関係構築が難しく、酒やギャンブルに走ってしまった人にとって、集団生活となる施設入所は厳しく、大崩れする場合も。相談者が望むまま聞き入れることが望ましいわけでもなく、一般的対応が好ましいわけでもない。どちらに転ぶか分からない状態の中で、方針を出さなければいけない。
こうしたいろいろな可能性を考え、相談者本人の思いも聞いて尊重しながら、葛藤の中で、支援方針を決めていく。支援方針通り行かないことも多々ある。最初は本人が嫌がる方針でも、後々に感謝される場合もある。

方針が異なれど、それは話し合ってすり合わせていけばいいわけで、違う立場の援助職の人とも連携していきたいという思いは強い。
しかし、水際作戦の実態が正直なところ、どうなっているのかが良く分からない。
かつては本当に非常にひどい対応が横行していた。しかし、近年、支援団体が付いていくとあからさまに相談を受ける気のない対応をされる機会は少なくなった。むしろ、先述のように、連携して相談者がよりよく暮らしていける方法を模索していくことのほうが多くなった。
しかし、生活保護申請の際、我々がついていっているときだけ役所が良い対応をしているだけなのか、単についていっていないときは話が噛み合わなくなって相談者本人の理解が追いつかず、追い返されたと感じてしまうことが多いだけなのか。生活保護バッシングともあいまって、水際作戦をされたという相談者の声も耳にする。前述のとおり、担当するケースワーカーの質も異なる。実態は分からない。

6.「若者」当事者として
水際作戦の例を出してみたが、この例が適当だったかは分からない。
関内夜回りのパトロールニュース(ビラ)に「今後の影響を考え、原発被爆労働に行かないように注意しましょう」と書いたら、野宿しているおっちゃんからすごい剣幕で「じゃあテメェらが仕事紹介してくれんのか!?原発だろうがなんだろうが、こっちは生きるのに必死なんだよ!ナメてんのか?」と怒られた話のほうが適切だったろうか。
とりあえず、現場の葛藤とかけ離れたところで、大きなスローガンが一人歩きしだしたりし始めると、話が空中戦になる。それは非常に危険であると言いたかった。かといって、分からないから何も言わない、というのも我々若い世代の流行ではあるが何か違うと思う。

我々若者は左右問わず、大きなスローガンにどこか冷めた目を向けることの多い世代であると思う。暮らしの保障されたジジババどもが空論を勇ましく語っても、それに同調する必要はない。我々は我々として、これからの時代を生き抜いていかなければならない。
折り合うこと、つながっていくこと、学び続けていくこと、声を発し続けていくこと。
「~せねばならない」より、「~したい」を大事にしていくこと。
楽しみながら、雑多に、寛容に、悩みながら、これからの時代をどーにか渡っていきましょう!!

※今回は文章では触れられなかった法政大学OBOG自主企画「自主乾杯祭」についてはhttp://jishukanpaisai.blog.fc2.com/をご覧ください。
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全国学費奨学金問題対策委員会

Author:全国学費奨学金問題対策委員会
7月14日(日)にデモを行うに当たり、ゆとり全共闘のブログを一時的にジャック!!
高い学費、借金でしかない奨学金に抗議をし、するために7月14日(日)にデモを行います。
学費無償化、給付制奨学金の実現に一声あげましょう。

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